夏越大祓式と茅輪神事
2017年6月29日
( 2012年6月28日・5月19日の記事に追記 )
梅雨も半ばを過ぎてまいりましたが、皆様におかれましては、お元気でお過ごしでしょうか。
明日6月30日(金)は、午後3時より
夏越大祓式(なごしのおおはらえしき)です。
大祓式にご参列なさる方へ
授与所にある人形(ひとがた)に住所・氏名・年令を記入し 身体中を撫でて息を三度吹きかけて一切の罪穢れを移して当日の午後2時30分までに授与所の三方へお志を添えてお納めいただき大祓式にご参列下さい。詳しくは廣田神社までお問い合わせ下さい。
大祓式後、引き続き茅輪神事を斉行致します。
ご参列の方は、手水舎南側にご参集下さい。
(夏越大祓式と茅輪神事は、どなた様もご参列いただけます)
廣田神社では例年通り、神職が自分たちの手で、山に入って、茅を刈り、茅輪をつくる予定です。
また、当日には昨年同様大茅輪の左右にご自由にお持ち帰りいただける茅をご用意致しますので、ご家庭の玄関口に架けていただいたり、災厄を免れる蘇民将来の故事のように、輪を作ってみていただいてもと思います。
茅輪の起源となった物語や罪穢を移す人形についての説明、茅輪のくぐり方についてお話をしたいと思います。
大祓式について
大祓式とは古代より6月30日(夏越の大祓式)と大晦日(年越の大祓式)の年2回宮中を始め全国各地の神社で行う大切なお祓いの儀式です。
私たちが日常生活をする中で知らず識らずに触れた穢れ(気枯れ)や犯した罪は積もり積もって不浄より悪事を生じ不潔から凶事を発していきます。
大祓式はこれら災厄の原因となる心身の罪穢を祓い去って人間本来のあるべき清浄な姿に立ち帰り清き明き魂の輝きを取り戻すことにより(心身ともに清々しくなり)悪疫退散 除災招福 延命長寿をはかり1年の新たな半年を清々しい気持ちでよりよき生活をして再び幸福と繁栄を迎えるための大切な神事です。
茅輪神事(ちのわしんじ)の起源について
茅輪神事は、「ちのわしんじ」と訓む。茅輪をくぐり越えて罪穢を除き、心身の清浄ならんことを祈請するので、「輪越祭」「茅輪くぐり」とも称する。茅とは、ち、かや、ちがや、であって、菅(すげ)、薄(すすき)など、多年生草木の総称である。
茅輪の起源については、釈日本紀七に、備後風土記逸文を引用して、次の如き事柄が記してある。
茅輪の起源の物語(蘇民将来の故事)
即ち、神代の昔、武塔神(すさのおのみこと)が、南海の方へお出でになる途中、或る所でお泊りになろうとして、土民の蘇民将来(そみんしょうらい)、巨胆将来(こたんしょうらい)と云う兄弟に宿を求められた。その時、弟の巨胆将来は、裕福な身であったにも拘らず、宿を拒んだのに対し、兄の蘇民将来は、貧しい身であったが、尊をお泊めし、粟柄を以て座を設け、粟飯を饗して御待遇申し上げた。
その後、年を経て尊は再び蘇民将来の家を訪れ、「若し天下に悪疫が流行した際にはちがやを以て輪を作り、これを腰に著けてをれば免れるであらう。」と教へ給ふた。この故事に基づき、蘇民将来と書いて、これを門口に張れば、災厄を免れるといふ信仰が生じ、また祓の神事に茅輪を作ってこれをくぐり越えるようになったのである。
茅輪をくぐるときの唱へ言葉
みな月のなごしの祓(はらへ)するひとは千年(ちとせ)の命のぶといふなり
思ふ事みなつきねとて麻の葉をきりにきりても祓いつるかな